2015年8月23日日曜日

ヴィヴァルディ「グロリア」曲目解説

2015年9月6日(日)の茅野混声合唱団演奏会の1曲目、A.Vivaldi 「Gloria ニ長調 RV589」の指揮:宮下荘治郎先生による目解説。
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 この曲の譜面が発見されたのは20世紀に入ってからで、作曲の年代や経緯など詳しいことがわかっていません。しかし、全ての面でヴィヴァルディの特徴が出ており、代表作の「四季」に肩を並べる名曲と評され、演奏頻度の高い作品です。
 「グロリア」はミサ典礼文を形成する一つの部分で、キリエに続く第2番目の曲です。イエスの誕生を祝う天使たちの歌で、ヴィヴァルディはこのグロリアを独立させて、単独の曲としました。このような例は珍しくなく、プッチーニやマスカーニなども行っています。
 「グロリア」RV589では、長文の歌詞を12の部分に区切り、全12曲で構成されています。ちなみにRVはヴィヴァルディの作品番号でリオムと読みます。弦楽合奏にオーボエ、トランペットを伴い、独唱や重唱、混声合唱による堂々とした作品です。
 演奏会では12曲のうち第1、2、8、11、12曲を抜粋し、オルガン、オーボエ、トランペットの応援を頂いて演奏します。

・第1曲 器楽合奏による快活なニ長調で始まり、和声的に進行する天使の大合唱です。
・第2曲 一転して静かでのびやかな旋律が各パートに引き継がれ、対位法的な動きとなります。
・第8曲 通奏低音に導かれアルトが独唱し、これに合唱が応えて祈りの対話をします。
・第11曲 第1曲目の再現ですが、短縮された形式をとっています。
・第12曲 二重フーガによる壮大な終曲で、伝統的なアーメンコーラスを配しています。
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「Gloria」
第1曲
Gloria in excelsis deo.天のいと高きところには、神の栄光。
第2曲
Et in terra pax hominibus bonae voluntatis.地には善意の人に平和あれ。
第8曲
Domine Deus,Agnus Dei,Fili Patris,神なる主、神の子羊、父の御子よ
Qui tollis peccata mundi 世の罪を除きたもう主よ、
Miserere nobis.我らをあわれみたまえ。
第11曲
Quoniam tu solus Sanctus,主のみ聖なり、
Tu solus Dominus,tu solus Altissimus,主のみ王なり、主のみいと高し、
Jesu Christe.イエズス キリストよ。
第12曲
Cum Sancto Spiritu,in Gloria Dei Patris.聖霊と共に、父なる神の栄光のうちに
Amen.アーメン。
以上 宮下先生の解説---------------------------------------

 
 第1曲目は某テレビコマーシャルでも使われた、輝かしい響き。一転して第2曲目は、深く静謐。第8曲目は憂いを帯びたアルトとの対話。第11曲目でハッとして、第12曲で壮大に。
 ヴィヴァルディの曲は「四季」が有名ですが、「グローリア」も「四季」と同じくらい、クラッシックに馴染みのない人でも一度聞いたらハッと惹きつけられる曲です。
 300年も前の曲なのに、現代のテレビコマーシャルに使われるくらい、刺激的でカッコイイなんて、ヴィヴァルディってすごい人だなぁ、なんて思います。(M)
 

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